ここで記載する廃品とは一般的な生活ゴミ以外のことです。処分するのには「ゴミステーションに捨てる」や「曜日毎のゴミ集荷」などとは異なる方法で回収される場合がほとんどのゴミのことです。一般的には廃品(粗大ごみ)回収は予約するなどして専門の業者に依頼することが多いと思います。ここではそんな廃品(粗大ごみ)回収から考える現状の問題点や改善点を共有します。
廃品回収業者
廃品回収業者は、家庭や企業から不要になった物品や廃棄物を回収し、リサイクルや買い取りなど適切な処理を行う業者です。
無料で回収を行う業者も多く存在しますが、この場合の大切な点として、無料の場合は回収した廃品ゴミを業者が回収費用(人件費や運搬費,処分代など)より高い利益率のリサイクルや再販することで利益を得ることで成り立っています。しかし高い利益率のリサイクルや再販は容易ではありません。
無料取引の仕組み
リサイクル資源の販売
回収された金属(鉄、アルミニウムなど)や電子機器は、リサイクル業者や製造業者に売却されます。これにより利益を得ることができます。
再利用・再販
状態の良い家電製品や家具は、清掃や修理を行い、中古品として再販されることがあります。中古市場での販売収益が無料回収の原資となります。
行政からの補助金
一部の自治体では、リサイクルや適切な廃棄物処理を行う業者に対して補助金を支給することがあります。
業者選びのポイント
信頼性
認可を受けた業者かどうかを確認することが重要です。無許可での回収業者は違法行為を行っている可能性があります。認可とは市や自治体から特定の業者に対して行われています。ホームページなどで「一般廃棄物収集運搬業許可」などを共有している業者もあるのでしっかりと確認しましょう。
料金体系
無料回収をうたっていても、特定の廃品や大型の物品については料金が回収するときに発生する場合があります。事前に料金体系をしっかり確認しましょう。
無料ではなく、買い取り業者として廃品回収している業者もあります。この場合、買い取りできる分は無料で回収出来たり、場合によっては見積から買取金額分の減額などあったりします。こうした業態や料金体系は事前に確認しておくことを強くおすすめします。
違法行為をする業者や突然大きな請求を避ける方法は、市や自治体の窓口に連絡して紹介されたゴミ回収業者を利用することが最善と言えます。
口コミや評判
インターネットでの口コミや評判をチェックし、信頼性やサービスの質を確認することも大切です。最近ではどの業態もホームページやSNSを運用している場合がほとんどです。こうしたところを自身で確認して安全かどうかを見極めることが可能です。
注意点
個人情報の扱い
パソコンやスマートフォンなどの電子機器を回収に出す場合、個人情報が含まれていることがあります。データ消去を確実に行うことが重要です。
違法投棄
無許可業者が回収物を適切に処理せずに不法投棄するケースがあります。信頼できる業者を選びましょう。無料で回収する業者は少しでも利益を出すために買い取りできない回収廃品を山や海、私有地などで違法投棄する場合があります。こうしたことは当然ながら環境汚染になるため法律で廃棄処分方法が規定されています。より良い環境作りのためにも社会で違法行為を取り締まる必要があります。
注意すべき“無料”廃品回収業者
上記でも記載したように信頼性のある廃品回収業者を選ぶことで、スムーズかつ安心して不要品の処分ができますが、無料とうたいつつ、数十万円の請求をする廃品回収業者もあります。近年でも問題視されています。以下にその主要な問題点を挙げます。
違法業者の存在
無許可で営業している業者が存在し、適切な処理を行わずに不法投棄を行うケースが増えています。これは環境汚染の原因となり、地域社会に悪影響を及ぼします。
高額請求のトラブル
「無料回収」をうたっているにもかかわらず、回収後に高額な処理費用を請求する悪質な業者が存在します。特に、高齢者や情報に疎い人々がターゲットにされることが多いようです。
データ漏洩のリスク
パソコンやスマートフォンなどの電子機器を回収に出す際に、適切なデータ消去が行われず、個人情報が漏洩するリスクがあります。これにより、個人情報の不正利用や詐欺に巻き込まれる可能性があります。
リサイクル率の低さ
一部の業者は、回収した廃品を適切にリサイクルせず、そのまま廃棄している場合があります。これにより、資源の有効利用が進まず、環境負荷が増大します。また、これにはリサイクルまで廃品を扱う難しさもあるためリサイクル率が特に上がりづらいことにもなっています。
不法投棄
無許可業者が不法投棄を行うことで、地域の景観や環境が損なわれる問題が発生しています。また、不法投棄された廃棄物が原因で健康被害が出るケースもあります。
過剰な広告・勧誘
一部の業者は、過剰な広告や勧誘を行い、無理やり契約を結ばせるケースがあります。これにより、不要なサービスを受けさせられたり、必要以上の費用を支払わされることがあります。
対策
これらの問題を避けるためには、上記した対策が有効です。以下にまとめます。
- 信頼できる業者を選ぶ:
認可を受けた業者や評判の良い業者を選ぶことが重要です。 - 契約前の確認:
回収の際に発生する可能性のある料金や処理方法について事前に確認することが大切です。 - データ消去の徹底:
電子機器を回収に出す前に、データを確実に消去することが必要です。 - 口コミや評判のチェック:
インターネットや周囲の人々の口コミを参考にして、業者の信頼性を確認することが有効です。
こうした対策を講じることで、廃品回収の際に起こりうる問題を最小限に抑えることができます。
廃品処理の費用
ご存じでしょうか?廃品処理には費用が掛かります。当然知っている人も多いでしょうが知らない方のために共有します。廃品処理の費用(処分代)は、処理する物品の種類や量、業者のサービス内容によって大きく異なります。廃品回収業者に依頼して回収された場合は見積りの中に処分代が含まれています。以下に一般的な費用の目安と、費用に影響する要因について説明します。
家庭用廃品の処理費用
家電製品
- テレビ: 2,000〜5,000円
- 冷蔵庫: 3,000〜7,000円
- 洗濯機: 2,500〜6,000円
- エアコン: 3,000〜7,000円
家具
- ベッド: 3,000〜10,000円(サイズや素材により変動)
- ソファ: 2,000〜8,000円
- テーブル・椅子: 1,000〜5,000円
小型家電・雑貨
- 電子レンジ: 1,000〜3,000円
- パソコン: 500〜2,000円(データ消去サービスが含まれる場合もあり)
- その他小型家電: 500〜2,000円
業務用廃品の処理費用
大型機械・オフィス家具
- コピー機: 10,000〜20,000円
- 大型デスク: 5,000〜10,000円
- オフィスチェア: 1,000〜3,000円
建築廃材
- 木材・金属: 10,000〜30,000円(トン単位の費用)
- コンクリート廃材: 20,000〜50,000円(トン単位の費用)
費用に影響する要因
物品の種類とサイズ
大型の家電や家具は、小型の物品よりも処理費用が高くなる傾向があります。また、素材によっても費用が変わることがあります。
回収方法
- 持ち込み:
自分で業者の処理場まで持ち込む場合、費用が安くなることがあります。 - 出張回収:
自宅やオフィスまで来て回収してもらう場合、出張費が加算されることがあります。
処理方法
リサイクル可能な物品と、処理に特別な手間がかかる物品では、費用が異なります。リサイクル可能な物品は、業者がその再利用によって利益を得ることができるため、費用が安くなる場合があります。
地域
地域によっても費用が異なります。都市部では処理費用が高くなる傾向があります。
費用を抑える方法
- 自治体のサービスを利用する:
多くの自治体では、一定の条件下で廃品回収を行っています。自治体のサービスを利用することで、費用を抑えることができます。 - 無料回収業者を利用する:
無料回収を行っている業者を利用することで、処理費用を削減できます。ただし、信頼性を確認することが重要です。 - リサイクルショップや中古品買取業者を利用する:
状態の良い物品は、リサイクルショップや中古品買取業者に売却することで、逆に収入を得ることができます。
廃品処理の際には、複数の業者から見積もりを取るなどして、最適な方法を選ぶことが大切です。