
地震や台風、豪雨などの災害が発生すると、ニュースでは「住宅の被害」「道路の復旧」「ライフラインの復旧」などが大きく取り上げられます。
被災した方にとって、問題は被災した瞬間だけではなく、
むしろ、その後に始まる
- 壊れた家財の片付け
- 災害ごみの処分
- 住宅の修繕
- 解体するか、修理するかという判断
- 家財整理
- 空き家になった住宅の管理
- 売却や住み替え
など、長い「復旧」の過程に大きな負担が生まれます。
今回は、災害後に起こる「片付けと廃棄物」の問題について、廃棄物処理の現場から考えてみます。
災害が起きたら、まず「壊れたもの」が大量に発生する
地震や水害が起こると、建物だけではなく、家の中にあるものも被害を受けます。
例えば、
- タンスや食器棚
- ベッドやソファ
- 冷蔵庫や洗濯機
- テレビなどの家電
- 布団
- 衣類
- 食器
- 畳
- カーペット
- 床材や壁材
などです。
普段なら「不用品」として少しずつ処分できるものでも、災害時には一度に大量に発生します。
さらに建物自体が損傷すると、家具や家財を搬出しなければ修理にも入れないケースがあります。
つまり、
「家を直す前に、家の中を片付けなければならない」
という状況が発生します。
「災害ごみ」は普通のごみとは違う
災害によって発生した廃棄物は、一般的な家庭ごみとは性質が異なります。
大量の家具や家電、畳、建材などが短期間に発生するため、通常のごみ収集だけでは対応できません。
そのため自治体では、災害廃棄物の仮置場を設置したり、分別・運搬・処理を行ったりする必要があります。
環境省も2026年に廃棄物処理法等を改正し、平時から災害廃棄物への備えを強化しています。自治体による民間の廃棄物処理施設・処理業者の活用や、災害時の支援体制なども制度整備の対象となっています。
それだけ、災害後の「ごみ問題」が復旧における重要な課題になっているということです。
「修理すれば終わり」ではない住宅の問題
災害で住宅が損傷した場合、「修理すれば元通り」と簡単にはいかないこともあります。
例えば古い住宅の場合、
部分的な修理
↓
耐震補強
↓
水回りなどの修繕
↓
家財整理
と費用や作業が積み重なることがあります。
一方で、修理費用が大きくなれば、
「この家を直して住み続けるのか?」
「解体して建て替えるのか?」
「売却して別の場所へ移るのか?」
という判断も必要になります。
石川県の能登半島地震の住宅応急修理制度でも、屋根・床・壁・窓・台所・トイレなど、日常生活に必要不可欠な部分を対象に応急修理を行う仕組みが設けられています。
しかし、これは住宅の「すべてを元通りにする」ための制度ではありません。
ここに、災害復旧の難しさがあります。
被災した家に残された「家財」をどうするのか
意外と見落とされやすいのが、家財の問題です。
家そのものを修理できても、家の中には大量の家具や生活用品が残っていることがあります。
特に、
- 高齢者が一人で暮らしていた住宅
- 長期間住んでいた住宅
- 空き家になった住宅
- 水害で家財が汚損した住宅
- 地震で家具が倒壊した住宅
などでは、家財整理そのものが大きな負担になります。
さらに、家財を整理しなければ修繕作業ができない場合もあります。
つまり災害復旧では、
建築業者だけではなく、片付け・運搬・廃棄物処理に関わる事業者も必要になる
ということです。
能登で始まっている「家財整理+住宅流通」という考え方
この問題を象徴する取り組みの一つが、石川県の中古住宅流通活性化事業です。
2026年9月には、能登半島地震や奥能登豪雨によって住まいを失った被災者などへの住宅供給につなげるため、住宅の売却に向けた家財整理や修繕費を最大100万円支援する制度が設けられました。
ここから見えてくるのは、
「災害からの復旧=壊れた建物を直す」だけではない
ということです。
家財を整理する。
住宅を修繕する。
必要であれば売却する。
そして、その住宅を次に必要とする人へつなげる。
災害後には、こうした「次の生活」まで考えた復旧が必要になります。
災害と空き家問題はつながっている
もう一つ考えなければならないのが、空き家の増加です。
災害によって住宅に住めなくなった場合、
「修理費用が高くて住み続けられない」
「高齢になり別の場所へ移る」
「相続する人がいない」
などの理由から、その住宅が空き家になる可能性があります。
そして空き家になれば、
- 家財が残る
- 管理する人がいない
- 雨漏りや老朽化が進む
- 不法投棄のリスクが生まれる
- 最終的に解体が必要になる
という問題につながることがあります。
つまり、
災害 → 住宅被害 → 家財整理 → 修繕・解体 → 空き家問題
という流れが発生する可能性があります。
災害復旧には「片付ける人」が必要
災害が発生すると、多くの人が消防、警察、自衛隊、建設業者などを思い浮かべます。
もちろん、これらの仕事は非常に重要です。
しかし、復旧を進めるためには、
「壊れたものを片付け、運び、分別し、適切に処理する人」
も必要です。
環境省の2026年度の災害廃棄物対策に関する検討でも、自治体のマンパワーやノウハウ不足、民間の廃棄物処理施設・処理業者を活用する体制づくりが課題として挙げられています。
災害の規模が大きくなればなるほど、一つの自治体だけですべての廃棄物を処理することは難しくなります。
だからこそ、平時から地域の廃棄物処理事業者などと連携しておくことが重要になります。
「災害に強い街」は、建物だけでは作れない
耐震化された住宅。
強い堤防。
整備された道路。
これらはもちろん重要です。
しかし、それだけでは災害からの復旧は完結しません。
災害が起きた後、
「壊れたものをどう片付けるのか」
「大量に発生した災害ごみをどう処理するのか」
「住めなくなった住宅をどうするのか」
「残された家財をどう整理するのか」
という問題にも対応できなければなりません。
災害への備えというと、「防災グッズ」や「避難場所」が注目されがちです。
しかし、もう一つの備えとして、
「災害が起きた後、街に大量に発生するものをどう処理するのか」
という視点も必要なのではないでしょうか。
西神清掃が考える「災害と片付け」
私たち西神清掃は、普段からご家庭や事業所から出るさまざまな廃棄物の収集・運搬、片付けなどに携わっています。
普段の生活でも、引っ越し、空き家、遺品整理、残置物など、さまざまな場面で大量の不用品が発生します。
災害が起きれば、それが一気に、そして広範囲で発生します。
だからこそ私たちは、
「災害復旧には、建物を直す仕事だけでなく、モノを片付ける仕事も必要」
だと考えています。
一日でも早く普段の生活を取り戻すために。
そして、被災された方が次の生活へ進むために。
廃棄物を適切に処理し、住まいや街を再び使える状態にしていくことも、災害復旧を支える大切な仕事の一つです。
まとめ
地震や台風による災害では、「建物が壊れること」が大きな被害として注目されます。
しかし、その後には、
家財整理 → 災害ごみの処理 → 修繕・解体 → 空き家対策 → 売却・住み替え
という長い復旧のプロセスがあります。
災害が大規模になればなるほど、この「見えにくい部分」の重要性は高まります。
災害に強い地域をつくるためには、災害が起きる前の防災だけでなく、災害が起きた後に発生する大量の「モノ」をどう片付けるのかまで考えておくことが重要なのかもしれません。
明石市の一般&企業ゴミ、そして不用品のことなんでも西神清掃にお任せください