
「ゴミ収集って市役所の仕事でしょ?」多くの方が、そう思っているのではないでしょうか。
確かに、家庭ゴミを出せば決まった曜日に回収車が来てくれる。
この“当たり前”の裏側には、公営・民間・個人事業者が複雑に関わっています。
今回は、「ゴミ収集は公営なのか?」そして「もし個人(民間)が担うとどうなるのか?」という点について、分かりやすく解説します。
ゴミ収集は基本的に「自治体の責任」
まず結論から言うと、
👉 家庭ゴミの収集・処理の責任は市町村(自治体)にあります。
これは「廃棄物処理法」で定められており、
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- 資源ゴミ
といった一般廃棄物は、原則として自治体が責任を負います。
ここがポイントです。
責任は自治体にある=作業をすべて自治体職員がやる、とは限らない
という点です。
実は多い「民間委託」のゴミ収集
最近では、多くの自治体で
ゴミ収集業務を民間業者に委託しています。
なぜ民間に任せるのか?
理由は主に3つです。
- 人件費・車両管理などのコスト削減
- 専門業者による効率的な運営
- 職員の高齢化・人手不足対策
つまり、
- 📌 責任は市町村
- 📌 実際の回収作業は民間業者
という形が増えているのです。
明石市・神戸市周辺でも、
「市のロゴが入った収集車=市職員」とは限りません。
じゃあ「個人」がゴミ収集をやることはできる?
ここでよく聞かれるのが、
「個人でゴミ収集の仕事ってできるの?」
という疑問です。
家庭ゴミを勝手に集めるのはNG
結論から言うと、
❌ 許可なしで家庭ゴミを集めることはできません。
一般廃棄物の収集運搬には、
- 市町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
この許可は非常にハードルが高く、
- 新規参入はほぼ不可
- 実質「地域限定・数社のみ」という自治体も少なくありません。
個人事業主が関われるケースは?
それでも、個人がまったく関われないわけではありません。
民間委託業者の下請け・協力会社
自治体から直接ではなく、
- 委託を受けた会社の協力事業者
として関わるケース。
事業系ゴミ(産業廃棄物)
飲食店・工場・事務所などのゴミは、
- 産業廃棄物
- 事業系一般廃棄物
として、民間業者が直接契約して回収します。
こちらは
👉 個人事業主でも許可を取得すれば参入可能
な分野です。
公営と民営、どちらが良いの?
これは一概には言えません。
公営の強み
- 安定性が高い
- 災害時の対応力
- 公平なサービス提供
民営の強み
- 柔軟な対応
- 効率化・コスト削減
- 現場改善のスピード
今後は、
「公が責任を持ち、民が動く」
という形が、さらに増えていくと考えられています。
ゴミ収集は「見えない公共インフラ」
ゴミ収集は、
- 道路
- 水道
- 電気
と同じ、生活を支えるインフラです。
誰がやっているかを意識することは少ないですが、公営・民間・個人、それぞれの役割があって成り立っています。
次に収集車を見かけたとき、「これって公営?民間?」そんな視点で見てみると、少し違った景色が見えるかもしれません。
産廃業者の目線
産廃業者にとって、最も重要なのは
👉 一般廃棄物と産業廃棄物の線引きです。
この線引きを間違えると、
- 無許可収集とみなされる
- 行政指導・業務停止
- 最悪の場合、許可取消
といった致命的なリスクにつながります。
「これは家庭ゴミ?事業ゴミ?」
たとえば現場では、こんなケースが頻繁にあります。
- 事務所から出る可燃ゴミ
- 店舗の段ボール・食品残渣
- 工事現場に少量混ざる生活系ゴミ
量が少なくても、
**事業活動から出た時点で「事業系」**になります。
ここを曖昧にすると、産廃業者側が責任を問われます。
なぜ産廃業者は家庭ゴミを扱わないのか
よくある誤解として、
「産廃業者なんだから、家庭ゴミも回収できるでしょ?」
と言われることがあります。
しかし現実は真逆です。
理由① 許可がまったく別
- 家庭ゴミ → 一般廃棄物収集運搬業許可
- 産廃 → 産業廃棄物収集運搬業許可
この2つは別物で、
産廃の許可を持っていても家庭ゴミは回収できません。
理由② 自治体の管理が非常に厳しい
一般廃棄物の許可は、
- 新規取得がほぼ不可能
- 既存業者の枠が固定
という自治体が大半です。
産廃業者から見ても、
「一般廃棄物は完全に別の世界」
という感覚があります。
民間委託の現場で起きているリアル
自治体から民間に委託されたゴミ収集業務。
外から見ると「安定した仕事」に見えますが、現場ではこんな課題もあります。
✔ コストと安全のバランス
- 限られた委託費
- 厳しい回収スケジュール
- 事故・労災リスク
安全対策をどこまで維持できるかは、
委託業者・協力会社の努力に大きく依存します。
✔ 住民対応の難しさ
- 分別違反
- 収集時間へのクレーム
- 出し方のルール無視
産廃業者は「契約相手が企業」ですが、
一般ゴミ収集は「相手が住民全員」。
この違いは、現場ではかなり大きいです。
個人事業主として産廃に入る現実
「個人でゴミの仕事がしたい」という相談も、
産廃業界では珍しくありません。
現実的な入口は2つ
- 既存業者の協力会社・ドライバー
- 特定分野特化(金属くず・木くずなど)
いきなり「何でも回収」は、ほぼ不可能です。
個人ほど「コンプライアンス」が命
個人事業主の場合、
- 書類管理
- 契約内容
- マニフェスト
- 積み替え・保管の扱い
これらを曖昧にすると、
即アウト=廃業リスクにつながります。
産廃業者目線では、
「個人ほどルールを知っていないと危ない」
というのが正直なところです。
産廃業者から見た「公と民の理想形」
産廃業界にいると、
ゴミ収集の理想形はこう見えます。
- 🏛 公(自治体):ルール作り・監督・責任
- 🚚 民(業者):現場運用・改善・効率化
どちらか一方では成り立ちません。
特に今後は、
- 人手不足
- 高齢化
- 災害対応
を考えると、
現場を知る民間の力は不可欠です。
最後に|伝えたいこと
産廃業者は、単純に「ゴミを運ぶ人」ではなく、
👉 法律・安全・環境を守りながら“正しい処理までつなぐ役割”
を担っています。
家庭ゴミも産廃も、仕組みを知ると見え方が変わります。
もし、
- ゴミの出し方に迷った
- これは家庭ゴミ?事業ゴミ?
と感じたら、
自己判断せず、必ず確認すること。
それが、トラブルを防ぐ一番の近道です。