昭和時代のゴミ問題
昭和時代の日本では、経済の急速な成長とともに都市化が進み、ゴミの量も急増しました。当時は廃棄物処理施設が十分に整備されておらず、多くの地域で不法投棄が問題となりました。例えば、東京近郊ではゴミの不法投棄が至る所で見られ、山間部や川沿いに大量の家庭ゴミや産業廃棄物が捨てられるケースが頻発していました。
また、焼却技術も未熟で、ダイオキシンなどの有害物質が発生し、環境汚染の原因となりました。特に、ゴミ焼却場の周辺住民からは健康被害の訴えが相次ぎ、社会問題となりました。例えば、1970年代には、東京都内のいくつかの焼却施設で排出されたダイオキシンが原因で、近隣住民に呼吸器疾患が多発したことが報告されています。
このような状況を受けて、昭和の後期には環境保護の意識が徐々に高まり、1971年には環境庁(現・環境省)が設置されました。これにより、環境問題への取り組みが本格化し、ゴミ処理の法整備や新しい技術の導入が進められるようになりました。
平成時代のゴミ問題
平成時代に入ると、リサイクル意識が高まり、1991年には容器包装リサイクル法が制定されました。これにより、家庭から出るペットボトルやプラスチック容器のリサイクルが推進されました。また、自治体による分別収集が普及し、ゴミの減量化が図られました。
具体的な例として、東京都ではゴミの分別が徹底され、燃えるゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなどのカテゴリーに分けられるようになりました。これにより、リサイクル率が向上し、埋め立てゴミの減少に寄与しました。また、学校や地域社会での環境教育が推進され、次世代への環境意識の普及も図られました。
しかし、それでもプラスチックゴミの増加や不法投棄、焼却施設からのダイオキシン問題など、依然として多くの課題が残っていました。例えば、1990年代後半には、プラスチック製品の大量消費が社会問題となり、環境団体が大規模なキャンペーンを展開しました。このような背景から、政府はさらなるリサイクル促進策を講じ、プラスチック製品の使用削減を目指しました。
さらに、平成の後期には、電子機器の普及に伴う電子廃棄物の問題も顕在化しました。これに対応するため、2001年には家電リサイクル法が施行され、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品の適切なリサイクルが義務付けられました。
現代のゴミ問題と持続する課題
令和時代の現在、SDGs(持続可能な開発目標)に基づく環境保護の意識が世界的に高まっています。日本でもプラスチック削減の取り組みが進み、レジ袋の有料化やバイオマスプラスチックの導入が行われています。しかし、まだ以下のような課題が残っています。
- プラスチックゴミの海洋汚染: 世界的に問題となっている海洋プラスチックゴミは、日本も例外ではなく、これを削減するための新たな取り組みが求められています。
- 電子廃棄物の増加: デジタル機器の普及により、電子廃棄物が増加しています。これらの廃棄物には有害物質が含まれるため、適切なリサイクルと処理が必要です。
- 食品ロス: 大量生産・大量消費の社会では、食品廃棄物も大きな問題となっています。これを削減するための政策や意識改革が進められています。
これらの課題に対処するため、政府、企業、そして市民一人ひとりの協力が必要です。持続可能な社会を実現するためには、リサイクルの推進、廃棄物の削減、そして環境に配慮した生活様式の確立が求められています。
SNSはこちら
粗大ゴミや大型ゴミ、不用品など、ゴミのお困り事は西神清掃へ